【体験レポート】両国・緑の看板の奥で、“中国のおばさん”にメスの顔を見た夜
両国、ビル群のおかげで日陰感のある大通り、アジア雑貨屋と銘打たれた静かな店構え。
人通りもほとんどない場所に、ネットで言葉だけが独り歩きしている「緑の看板」。
雑貨屋のような顔をしているが、実際は人の気配のない1階を抜けた中2階が本当の目的地。
木造の引き戸を開けると、そこにいたのは、年齢でいえば50代後半くらいだろうか。
黒髪を後ろに結びメガネをかけ、整体師のベーシックなユニフォーム、セットアップのひざ下スカート、厚手のくるぶしの隠れるスカート、中国系の女性だった。
一目で“場慣れ”しているとわかる。
言葉は流暢な日本語だが、どこか語尾に独特のリズムがある。
「アナタ、肩ガチガチね。全部脱いで。はやくベッド、寝てね、うつ伏せ」
その物言いはサバサバしていて、母親に叱られてるような錯覚すらあった。
でも、嫌な感じはしなかった。むしろ、その圧の強さに――妙に安心した。
マッサージが始まると、その腕前は確かだった。
肩甲骨の奥まで届く深い指圧。
腰、ふくらはぎ、足裏にいたっては、「嗚呼ッ…」と声が漏れてしまうほどの痛気持ちよさ。
どこかで軽く「Mっ気」がある自分には、たまらない刺激だった。
と、突然。施術の手がピタリと止まる。
「仰向け、して。最後、少しだけ、気持ちいいこと、してあげるね」
そう言った彼女の声は、なぜかさっきまでのガサツなイントネーションではなかった。
言葉に艶があり、わずかに湿っていた。
言われるまま仰向けになると、彼女の顔がぐっと近づいてくる。
目が合った瞬間、表情が一変していた。
女の顔だった。
そして――唇が触れた。
ふわりと重なっただけかと思った瞬間、ぬるりと舌が入り込んできた。
あのざらついた中国語のイントネーションはどこにもなかった。
舌はゆっくりと、絡みつくようにこちらの舌をなぞり、巻き、引き寄せてくる。
湿った呼吸が鼻先にかかる。甘い匂いと、どこか薬草のような香りが混ざる。
唾液が喉奥に落ちていくたびに、身体が熱くなる。
キスは深く、舌の根元まで感じるほどで、彼女の唾の重さがリアルだった。
時折、彼女の舌がこちらの歯茎をなぞる。
柔らかいのに獰猛。
肉を探す獣のような動き。
気づけば、喉が鳴るような音をたてて、彼女の舌と唾液を飲み込んでいた。
それが嬉しくて、情けなくて――でもやめられなかった。
彼女は優しく髪を撫でながら、もう片方の手で首筋に触れ、ゆっくりと指を這わせる。
まるで、「お前はもう、私のものだ」と言わんばかりの包み込み方だった。
「気持ちいいね、こういうの、男は、ちょっと支配されると、落ち着くよ」
囁くように言われたその言葉に、ビクリと反応してしまった。
図星すぎた。
自分の中のMの部分が、彼女のメスの顔に完全に反応していた。
唇が離れたあとも、舌の感触と唾液の味が、口内に生々しく残ったままだった。
それはただの“サービス”ではなかった。
どこか、魂の奥まで触れられたような、支配と甘やかしの絶妙なバランス。
彼女の舌がゆっくりと抜けていく。
ぬるりと、唇の内側をなぞって離れたその瞬間――
まだ、彼女の唾の重みが、口の奥に生々しく残っていた。
息がうまく整わないまま、ぼうっと彼女の顔を見る。
年齢を重ねた女性の、どこか余裕ある目元。
でも、その奥に、獲物を見つけた獣のような光が潜んでいた。

「気持ち、よかったね?まだ終わらない、よ」
彼女は微笑んだ。
その声のトーンは、さっきまでのサバサバしたイントネーションではなく、どこか囁くような甘さを帯びていた。
次の瞬間、彼女の指先が、ゆっくりと胸に触れる。
人差し指が、乳首のすぐそばを円を描くようになぞる。
わずかに震えそうになる身体を、なんとか押しとどめた。
焦らすように、乳首そのものには触れない。
その周囲をくるくると、まるでそこが中心であることを忘れたかのように、無邪気に指を遊ばせる。
「ここ、感じやすいタイプ?男の人でも、弱い人いるよ」
言葉の端に、からかうような笑みが滲む。
でもその指の動きは、決して乱暴ではなかった。
押し付けるでもなく、摘まむでもない。
むしろ――触れているか触れていないか、ギリギリの温度と圧。
やがて、彼女の中指と親指が、やさしく、ゆるく乳首を挟む。
軽く、軽く――
引っ張られる寸前で止まる。
そして次は、爪の先でほんの少しだけ、弧を描くように撫でられる。
そのたびに、呼吸が跳ねる。
足がぴくっと動き、腰が反射的に浮きそうになるのを、恥ずかしさで抑え込む。
「ふふ、我慢してる?カワイイね。こういうの、好きなんでしょ?」
耳元に熱い吐息がかかる。
自分が、乳首ひとつでここまで感じる人間だったことを、今さら知った。
彼女はわかっていて、やっている。
男のプライドが邪魔をする部位に、女の指先がじわじわと忍び込んでくる――
その背徳的な快感に、気づけば身を委ね始めていた。
彼女の指先は、ずっと「物足りない」圧のまま続く。
決して満たされない、けれど止められない。
まるでじれったさそのものが、快感の正体であるかのように。
乳首を撫でられながら、口の中に残る唾液の余韻と、彼女の体温とが絡み合い、
感覚は次第に、自分のものではなくなっていった。
――完全に、支配されていた。
彼女の指が、まだ乳首を撫でている。
その圧も動きも、先ほどからまったく変わっていない――けれど、私の中の快感だけが、徐々に、確実に高まっていた。
「ちょっと、仰向けなって。うん、そのまま、顔こっち向けて」
サバサバとした声色でそう言うと、先生は腰を跨いできた。
言われるまま顔を向けると、目の前には――彼女の、脚の間。
視線の意味を察したのか、先生は特に照れる様子もなく、
「舐めてみる?気になるでしょ?」
と、まるでランチのメニューを差し出すような調子で言う。
私は頷いた。
興味ではなく、すでに、欲望に突き動かされていた。
顔を近づけると、ほんのりと湿った熱が鼻先をかすめた。
先生の体臭は香水でもボディソープでもなく、生身の匂いだった。
湿度、鉄の香り、わずかな酸味――どれも人間の生々しい匂い。
舌を伸ばす。
そして、柔らかく、ぬるりとした部分に触れた。
その瞬間。
「……オホ……」
先生の口から、低く、喉の奥から漏れるような声が出た。
あえぎというより、呼気が漏れただけのような、リアルすぎる音。
芝居じみた演技は一切ない。
女優ではない、これは“実在の女”だと実感させられる声。
「オオ……そこ……そこ、やさしく……そう……」
舌先でゆっくりと形をなぞる。
彼女の手が私の髪をぐいと押さえた。逃げられないように。
その仕草に、ぞくりと震える。
彼女の反応が現実的であるほど、私は逆にどんどん興奮していった。
汗と体温の中、こちらだけが火照っているのがわかる。
先生はただ感じているだけ。自分は奉仕しているだけ。
なのに、私は。
股間が――抑えきれないほどに、硬くなっていた。
それを感じ取ったのか、先生がふと視線を落とし、鼻で笑った。
「……すごい立ってる。変態ね。舐めてるだけで、こんな」
軽蔑でもなければ、からかいでもない。
ただの事実確認のような一言に、私は自分の異常さを見透かされた気がして、さらにゾクッとした。
奉仕しているはずが、責められている。
責められているのに、喜んでしまう。
彼女の舌の味も匂いも、いま、私の中にべったりと残っている。
「うん、よくできました。でも……ここまででおしまい」
彼女は腰を引き、私の顔の前から姿を戻した。
私はまだ、舌の先に彼女の体温を感じていた。
それが――あの日の、最初の訪問だった。
<つづく>

